歯磨き粉(練り歯磨き)について
2018.10.26(金)
最近こそ数は少なくなりましたが、患者さんからの質問で歯磨き粉(練り歯磨き)を使ったほうがいいのかどうか、そして使う場合にお勧めの物があるか。についての質問がありましたのでお答えします。
結論から申しますと、歯磨き粉は使って頂いたほうが良いです。歯磨き粉はかなりの数が販売されており病院でお勧めの歯磨き粉というのは強いて挙げるものはございませんが、気にかけて頂きたい点はいくつかあります。ひとつは、「薬用」または「薬効」という記載のある歯磨き粉を使ってほしいという点。もうひとつは、「医薬部外品」という記載のある歯磨き粉を使ってほしいという点です。
「薬用」、「薬効」という記載や文字、そして「医薬部外品」という商品のカテゴリは、歯磨き粉の中に殺菌・むし歯予防のフッ素の薬等が入っていることを法的に示す表示です。これらの表示のない商品につきましては、化粧品扱いの歯磨き粉で使用効果が法的に確証されていないものが多いです。最近、インターネットや新聞広告で自然由来の成分や材料(例えばハチミツ由来のプロポリスや生薬、各種植物油)を用いた高額な歯磨き粉が販売されている事があり、それらを利用されてる方が歯肉炎に罹患して来院されたケースがありました。今まで歯肉炎になっていなかったのに歯磨きを変えたら急に変化が出たとのことで、使用している歯磨き粉を見せていただくと、「薬用」成分の入っていない、「化粧品」カテゴリのものであった事がございました。
特定の歯磨き粉を否定する趣旨ではないのですが、薬事法で定められてる「薬用」「薬効」成分は確実に、虫歯や歯周病の予防に威力を発揮します。この点について留意して歯磨き粉を選んで頂けるとよろしいかと思います。
最後に、歯磨き粉を使うことによる清涼感が災いして磨き残しが出ているにも関わらず清涼感が出て磨ききれたと感じてしまい、虫歯を作ったりするケースがあります。歯磨き粉を使って歯を磨いたあと、鏡をみて汚れがないか見ていただき必要であれば仕上げ磨きとして歯磨き粉を使わないで磨くことも大事な事であるかと思います。また清掃補助具(歯間ブラシ、糸ようじ、含嗽薬)の併用も効果的です。
何かご不明な点がありましたら、治療中に本院スタッフにお問合せ頂ければお答え致します。
医療法人社団金子歯科医院 吉田 剛